海外ドラマを観ながらの英語学習は、楽しみながら続けられるのでおすすめです。
今回おすすめする作品は『ザ・ラストシップ(The Last Ship)』です。
『ザ・ラストシップ』の概要
突如、世界に牙を剥いた奇病。
致死率はほぼ100%で、その死は時を待たずに訪れる恐ろしい病気。
『ザ・ラストシップ(The Last Ship)』は、そんな新種のウィルスから世界を救うべく戦うウィルス学者と一艘のアメリカ海軍駆逐艦の物語です。
まるで「ノアの箱舟」を想像させる船。
人々の命は消え、どんどん荒廃していく世界を救えるのは、ウィルス学者・スコット博士を乗せる駆逐艦「ネイサン・ジェームズ」だけ。
それを率いるチャンドラー中佐とその部下たちの戦いの道のりは長く、困難に満ちたものでした。
『ザ・ラストシップ』の評価
ジャンル | サスペンス、ヒューマン、ミリタリー |
セリフの速さ | |
セリフの量 | |
日常英会話で使える度 | |
旅行英会話で使える度 | |
ビジネス英会話で使える度 | |
笑い・ユーモア | |
1話の長さ | 45分 |
シーズン1の放送開始年 | 2014年 |
製作国 | アメリカ |
『ザ・ラストシップ』の発音
アメリカ英語
『ザ・ラストシップ』で学べる英単語やフレーズ
- Pandemic
- It wasn’t an invitation.
- You had no right to pull me from my work.
自分の意思をきっちり伝えたいと思っている方必見!
時には会話の主導権を握るために、有無を言わせぬフレーズを身につけることも重要です。
『ザ・ラストシップ』では、軍隊が舞台だからこその強めの表現を楽しめます。
今回はそんなドラマの中からセリフを3つ紹介します。
1)pandemic
pandemic
(広範囲に渡る病気の大流行)
『ザ・ラストシップ』では重要なキーワードになります。
outbreakは比較的馴染みのある単語だと思いますが、pandemicはoutbreakとは比較にならないくらい大規模、と捉えてください。
感染症の流行の規模によって
- endemic(エンデミック・風土病)
- epidemic(エピデミック・流行病)
- pandemic(パンデミック・感染爆発)
という順序で表します。
最上級であるpandemicは「世界規模」の感染症の流行と言えます。
インフルエンザもある意味pandemicに相当します。
pandemicというキーワードをしっかり理解することにより、この物語の危機的状況が分かってきます。
作中では、ヘリに乗ったスコット博士がエジプトに降り立ちます。
薄汚れたキャンプには、血にまみれた患者が苦しげに横たわっています。
スタッフは「患者は発症して2日で死亡する」と話し、博士は患者の血液サンプルを取り、「I’m sorry」と一言告げ、足早に立ち去ります。
患者を診察することも、薬を与えることもなく。
まさに分秒を争う、パンデミックを予感させられます。
2)It wasn’t an invitation.
駆逐艦はスコット博士と彼女の助手を乗せ、北極へと向かいます。
表向きは鳥の調査と偽り、真の目的はワクチンの開発。
しかし奇病のパンデミックは極秘になっていて、中佐にも知らされていません。
駆逐艦は命じられた表向きのミッション、ミサイル実験を遂行し、成功させます。
一方その頃、スコット博士たちは、氷上にてサンプルの採取に一心不乱で取り組んでいます。
ミッションが終わった駆逐艦に戻るよう隊員が博士たちに伝えますが、頑として博士は従いません。
It wasn’t an invitation.
直訳すれば「招待ではない」という意味になりますが、裏を返して「これは強制です」と伝える時によく使われる手法です。
「戻ってください。これは命令です。」と。
ちなみにドラマのセリフでは「It」がほぼ発音されていませんが、通常の会話ではよくあることです。
なおIt wasn’t an invitationとセリフはなっていますが、これは現在形でも過去形でも、どちらでも意味に大きな違いはありません。
作中で過去形になっているのは、直前の指令に対しての補足なので、過去形になっています。
This is not a request.
(依頼じゃないんだ)
This is not a suggestion.
(提案じゃないんだ)
どちらも「強制」あるいは「命令」であることを示唆しています。
invitationやrequest、suggestionは丁寧で柔らかいテイストの単語です。
これらを否定することによって、逆に「拒否権はない」というニュアンスを出すことができます。
命令しつつも、わざと丁寧な単語を使いプレッシャーをかける。
軍隊や会社のような組織された場所では使いやすいフレーズですし、日常においても使えます。
たとえば本を貸している友人が「明日こそ返すから」と言いながら、なかなか返してくれません。
そして今日も本を持って来ませんでした。
そんな時は「This is not a request.」と友人に言いましょう。
「今すぐ本を取りに帰って、持ってこい」と。
依頼ではなく、とにかく「今すぐやれ」と命令することができます。
あるいは、どうしてもお酒がやめられない肝臓を患う友人がいます。
医者からも禁酒を言い渡されているのに、友人は色々と言い訳をしてお酒を飲もうとするでしょう。
そんな時は優しく、でも毅然とした口調で「This is not a suggestion.」と友人に言いましょう。
提案ではなく、そうするべき。
命令の中にも、相手を慮る気持を込めることができます。
3)You had no right to pull me from my work.
強制的に駆逐艦に呼び戻された博士は、怒り心頭で艦長であるチャンドラー中佐に食ってかかります。
You had a right to pull me from my work.
(あなたに私の仕事を止める権利なんてなかった。)
セリフでは過去形になっていますが、have no right toはcan’tに置き換えることができます。
つまり「〜することはできない」「〜してはならない」という意味になります。
「あなたには〜する権利は全くない」と、助動詞(doやcanなど)を否定形にしない否定文で、かなり強い表現です。
そこには「よくも〜してくれたな!」と非難のニュアンスも含まれます。
たとえば相手があなたの嫌がっているあだ名で呼んだとしたら、当然腹立たしく思います。
You have no right to call me that!
(よくもそんな風に呼んでくれたな!)
と怒りをぶつけることができます。
緊迫した状況以外であれば「あなたに〜なんてさせないよ」と軽くいうこともできますが、それでも内容に譲歩は含まれません。
たとえば美味しいお店のケーキをあなたの友人はシェアすることなくいつも独り占めする、という場面があったとします。
そして今日はあなたがケーキを購入。
羨ましそうに見つめる友人に、軽く仕返しも込めて言ってみましょう。
You have no right to eat this.
(あなたには食べさせてあげないよ。)
pull fromは「何かやっている事柄を中断させて呼び戻す」という意味があります。
つまり博士は「(私の)仕事を中断させられ連れ戻された」ということに腹を立てて、さらに非難している、というわけです。
4)rain check
最後に強めの表現とは関係ありませんが、作中に出てきた、覚えておくと便利な熟語を紹介しておきます。
rain checkは「延期・日延べ」の意味です。
元々は野球などのスポーツの試合が雨で中止になり、その代わりのチケットに対して使われていたフレーズです。
たとえば友人に遊びに誘われたけど、先約があって行けない。
そんな時は
Rain check?
(また後日でもいい?)
とたった一言で伝わります。
物語は後半、予想だにしない展開へと進みます。
果たしてワクチンを作り出すことはできるのか?
世界にたった一艘だけ残された船の運命は?
物語から目が離せません。
『ザ・ラストシップ』はこんな方におすすめの作品
- ミリタリー作品が好きな方
- ちょっと非日常的な語彙を増やしたい方
- 緊迫したシーンを楽しみたい方
『ザ・ラストシップ』で英語学習の感想
サンプル採取作業中、博士たちは突然現れたヘリから攻撃を受けます。
襲撃者はロシア軍。
戦闘後に囚われたロシア兵は「治療薬が要る」と言い残し息耐えます。
明らかに博士を狙った突然の襲撃。
チャンドラー中佐は、ここで初めて真のミッションを知り、世界に起こっている衝撃の事実を知ることになるのです。
ヘリや銃撃戦の爆音などで、少し会話が聞き取りづらい場面がありますが、そこは物語の臨場感を味わうことを優先し、細かいところは聞き流しましょう。
ことは人類滅亡の危機。
誰もが命をかけて、何としても生き抜き、治療薬の完成を目指すという新たなミッションをチャンドラー中佐は決意します。
果たして200余名のクルーで世界を救うことができるのか。
舞台がアメリカ軍の駆逐艦なので、ミリタリー用語があったり、独特な言い回しなど、日常とはちょっと違う英会話表現を楽しむことができます。
役者さんたちの表情に注目すると、シチュエーションの理解がより深まります。
困難な戦いに臨む登場人物たちはとても魅力的で、ストーリーに引き込まれること間違いなしです。
回を重ねるごとに頻繁に耳にする単語も増えてくるので、学習もより容易になってきます。
『ザ・ラストシップ』が観れる動画配信サービス
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海外ドラマを楽しみながら英語学習もできて、おすすめです!